大腸がんシンポジウム - 知れば知るほど、こわくなくなる。

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情報は生きる希望です

これはあるがん患者の言葉です。
二人に一人が、がんになるといわれる時代。
「がんと告げられたら」
「新しい治療法は」
「自分にあったがんとの向き合い方は」…。
疑問や悩みはつきるものではありません。
当市民公開講座では、
大腸がんについて専門医が
分かりやすく解説します。
ふるってご参加ください。

大腸がんシンポジウムのプログラム

第1部/講演 14:00-15:40

14:00~
14:10

はじめに大腸がんとは

国立病院機構大阪医療センター 
下部消化管外科 
科長 加藤 健志 先生

インタビュー
14:10~
14:40

セッション1:検査・診断・内視鏡治療大腸がんにおける検査・診断・内視鏡治療

辻賢太郎クリニック 
院長 辻 賢太郎 先生

インタビュー
14:40~
15:10

セッション2:外科手術大腸がん手術の最前線と今後

国立病院機構大阪医療センター 
下部消化管外科 
三宅 正和 先生

インタビュー
15:10~
15:40

セッション3:薬物療法これからの大腸がん治療について

関西医科大学附属病院 がんセンター
学長特命准教授 佐竹 悠良 先生

インタビュー

第2部/質疑応答 16:00-16:20

応募時に寄せられた中から事前に選択した質問に対し、
第一部に登壇する講師の先生が回答いたします。

講師インタビュー

国立病院機構大阪医療センター 
下部消化管外科
科長 加藤 健志 先生

加藤 健志 先生

大腸がんは日本で最も罹患(りかん)数が高いがんです。一方、手術、内視鏡、抗がん剤などのさまざまな治療法が開発され治療の選択肢は増えています。大腸がんの診療は、日本全国どこの医療機関でも受けることが出来るように、標準治療がガイドラインで示されています。ただ、ガイドラインに示された治療法はあくまで標準です。個々の患者さんは一人一人健康状態やライフスタイルが異なりますので、全の患者さんでガイドライン治療が良いとは限りません。ですので、大腸がんと診断された時は、主治医が示す治療が自分の生活へどの様に影響するかをよく理解していただき、自分自身が納得できる治療法を医師とよく相談して選択することが重要です。

例えば、可能な限り人工肛門は避けたいとか、人工肛門にしても再発の心配を少しでもなくしたいとか、抗がん剤の治療の効用と副作用を比べ、患者さん自身の生活にできるだけ無理のない治療法を選ぶことも可能です。患者さんの希望を医師に明確に伝えることでより、良い自分に合った治療法を選択することができるのです。特に高齢者や合併症を持つ患者さんは自分に合った治療法を医師とともに探っていただきたいと思います。もし迷った時はセカンドオピニオンを選択するのも一つの方法です。

加藤 健志 先生

辻賢太郎クリニック
院長 辻 賢太郎 先生

辻 賢太郎 先生

大腸がんは、検診により、早期発見ができ、早期治療を行えば、治癒率が高くなります。米国では内視鏡による検診が死亡率の改善に寄与しています。

検診は一般的に、まず便で腸内の出血の有無を調べる便潜血検査が行われ、陽性と判断されれば、内視鏡検査や注腸検査などによる精密検査が行われます。

日本では検査の受診率は改善の余地があるとされています。理由は、便潜血検査の場合、自分で便の採取し検診機関にもっていく煩雑を嫌ったり、内視鏡検査では、検査に備え下剤を使用したり、おしりから内視鏡をいれることなどに抵抗を感じることなどがあります。近年、内視鏡前に服用する下剤も飲みやすく、量も減ったり、錠剤を使用するケースがあるなど、受診者の負担が改善されています。女性の受診者には女性の医師が対応するケースも増えてきました。

内視鏡検診で腸内にポリープが見つかった場合、検査当日に治療することも可能です。定期的に検診を受ければ、大腸がんに罹患する率は大幅に減りますので、検診を受診していただきたいと思います。

辻 賢太郎 先生

国立病院機構大阪医療センター 
下部消化管外科
三宅 正和 先生

三宅 正和 先生

大腸がんの治療は早期発見し、手術で根治治療するのが理想です。検診を受けて、早くがんを見つければ、その可能性は高まります。手術の方法は現在、腹腔鏡による手術が普及しています。腹腔鏡手術は開腹手術と異なり、手術に伴う創が小さく、回復が早く合併症も少ないことが知られています。

大腸がんのなかでも手術が難しいのは直腸がんです。肛門に近いため、人工肛門になってしまうか肛門機能を温存できるかは患者さんにとって最大の関心事でしょう。近年、腹腔鏡手術だけでなくロボット手術やTaTME(経肛門的全直腸間膜切除術)などの登場により肛門温存率は向上しました。また、進行直腸がんにおいては放射線や抗がん剤治療などと手術を併用することで肛門温存を可能にしたり再発率を下げたりする工夫をしています。

こうして治療方法は日進月歩進化していますが、ぜひ治療を受ける際に知っておいておただきたいことは、どのような手術を受けるにしても、初回の治療がしっかりと行われていないと、再発する可能性があるということです。特に手術が難しい直腸がんの場合、実績のある医療機関での治療にこだわった方が良いと思います。

三宅 正和 先生

関西医科大附属病院がんセンター
学長特命准教授 佐竹 悠良 先生

佐竹 悠良 先生

現在の大腸がんの薬物療法は、いわゆる従来の抗がん剤である殺細胞性薬に加え、がん細胞の分子的な構造を標的にがんを狙い撃ちする分子標的薬、がん細胞がリンパ球などの免疫細胞にブレーキをかける仕組みに働きかける免疫チェックポイント阻害薬があります。薬物療法の多様化や他の治療法との組み合わせによりがんを切らずに治す治療法や当初手術ができなかった患者さんが手術可能になることも増えてきました。

このように薬物療法の多様化や他の治療法との組み合わせなどの治療選択肢が増えたことにより、これらを総合的に用いた戦略が大腸がんの治療では可能となっており、それにより生存率も高まっています。

薬物療法の多様化はひとりひとりの患者さんの要望に応じて治療法を選択することを可能としました。脱毛などの副作用を望まない場合には脱毛が起こりにくい薬を選択することもできますし、がん遺伝子変異を検査することでその人のがんに対してより効果的な薬剤を見つけて治療するがん遺伝子医療も実践されています。心配される種々の副作用に対応できる薬もたくさん開発されています。

患者さんには自分の要望を医師に伝えていただくことで、身体に負担の強い治療を我慢し続けるのではなく、ふだんの生活を楽しんでもらいながら、療養生活を送ることができる、つまり患者さんと医師と共同で治療を進めていく時代であることを本日お伝えできればと思います。

佐竹 悠良 先生

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